多世代の福祉ニーズに応える ふくしの生協

葬送を考える

エンディングノート

葬送アドバイザー 入倉敬子

エンディングノート皆さんはエンディングノートをご存じですか。
新聞やテレビで紹介されたり書店にも置いてあるので目にした事があるかもしれません。
色々なところから発行されているのでタイトルはさまざまですが、テーマはだいたい同じで、自分らしく生きてきた今までの人生を振り返り、家族や大切な人へ伝えておかなければならない事を書き記すノートです。
私は18年前に父を亡くしたとき、家族間での大変なトラブルを経験しました。
その争いは5年も続きそれぞれが傷を被い、家族の気持ちがばらばらになってしまいました。このようなトラブルを避ける事が出来なかったのかと考えていて、思い至ったのがエンディングノートの存在です。そして私は「旅立ちのとき」というエンディングノートを7年前に制作しました。一人でも多くの方にこのノートの必要性を分かってもらうおうと、葬送セミナーで紹介していました。その後テレビ取材もあり、全国から問い合わせと注文が殺到しました。多くの方は書き残す事の大切さを分かっていても何をどう書いたらいいのか分からず、書きやすいマニュアル的な物を求めていたようです。
エンディングノートを知らない方の為に、実際どのような事を記入するのかご説明いたします。
最初に、家族や大切な方に対して感謝の言葉や言っておきたいことを書きましょう。残された家族には、ここに書かれている事が最期の言葉としてとても大切なものになります。
次に自分の生い立ちや、家系図、遺言書、財産や負債のこと、身の回りの整理処分、緊急時に連絡してほしい人、しなくていい人、そして自分らしい葬儀のやり方、埋葬お墓、となります。このような項目が質問形式に並んでいるので、それぞれ必要と思われる項目に書き込んでいけばいいのです。参考資料には遺言書の説明や葬儀、お墓の解説、そして死が迫り助からないならば、無意味な延命を断る「尊厳死の宣言書」の書式と尊厳死協会の紹介を載せています。
18年前の私の痛い経験からも言えるのですが、このような情報や知識があったら、避けられた事がいくつかあったことは確かです。しかし、遺言のように法的な拘束力のあるものではありませんので、財産や相続等に関する正式な遺言書は別に作成する必要があります。
エンディングノートを書くことの意義は、今迄の人生を改めて振り返り、そしていずれは迎える死に目を背けずに向き合うことで、これからの生き方が見えてきます。また家族へ残す最後のラブレターとなるかもしれません。
葬送講座に参加し「うんー・確かに必要ね。私も書きます」と、ノートを用意される方や、電話で注文を頂きますが、さて何人書いていらっしゃるのでしようか。大抵はそのうちに・・・で引き出しの中にしまい込んでいますよね。実際一人で書くのは気が滅入ってしまいます。そこで皆様に呼びかけ「エンディングノートを書く日」を企画しました。9月頃の予定ですので興味がありましたら是非ご参加ください。

現代のお墓事情

葬送セミナー皆さんは自分が死んだらどこへ埋葬されたいですか。先祖代々のお墓ですか、それともその辺に撒いてくれ(散骨?)ですか。どちらにしても自分では出来ないことなので、残された家族にお願いするわけですが、せめて自分の希望を家族に伝えておいてほしいものです。
さて・・埋葬、お墓といっても色々形態があります。まず大きく二つに分けて、継承者の必要なものと継承者を必要としないものがあります。継承者が必要なお墓は、寺院墓地、公営の霊園、民間の霊園などです。が、このようなお墓でも継承者が途絶えてしまう場合があります。墓地の管理者は継承者に連絡がつかず3年から5年位の管理費の滞納がある場合、お骨を無縁仏の合葬墓に移し墓石を撤去し更地にしてまた売り出す事が出来ますが、私達は売ることは出来ません。つまりお墓を買うということは墓地の使用権を買うということで、所有権はないのです。賃貸住宅の引っ越しのように、お骨を出して墓石を撤去しきれいな状態にして返還するのです。ですからお墓の引っ越し(改葬)はかなりの費用がかかり、手続きも煩雑です。しかし最近は改葬が非常に増えてきました。足腰が弱り、若い時に買った遠いお墓へお参りに行けなくなった、あるいは継承者がいないので共同墓地を契約し先祖のお骨を移す、遠い田舎のお墓を墓石ごと近くの墓地に移転する等色々なケースがあります。
さて継承者を必要としないお墓、埋葬・・・永代供養の納骨堂や共同墓地、樹木葬(墓石は置かず土中に直接埋葬し、樹木を墓標とする埋葬方法)、散骨(海、山、宇宙)、手元供養(遺骨を粉砕してプレートを作る、あるいは人工ダイヤモンドや人工石を作りペンダントや指輪に加工する)。
このように色々な形態があり、選択肢は広がりますが、お墓、お骨は自分のものでありながら自分のものではないのです。残された方、供養していく方の為のものなのです。その大切な方々に余り重い負担を背負わせないような配慮も必要でしょうし、またお墓は故人を偲ぶ心の拠り所となりえる場所でもあるのです。
自分にとって家族にとってどのような形がいいのか一度考えてみてください。もし考えに行き詰まったら相談してください。一番いい方法を一緒に考えましょう。

 

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