三. 法や定款を遵守し、創造的な運営で高齢協の発展を

【定款は常に読めるところに備え置きます】

高齢協は他の社団法人と同様に定款を定めています。いわば厳かな会則です。定款は就業規則とは異なり、働く人たちを律するのではなく、生協法や各種法律のもと、組合員の運営参加の権利と義務、役員選び方に加えて、役員の行動を律する規定がさまざま書かれています。
役員の行動はさまざまな利害関係者(ステークホルダー)に影響、時には損害をも与えますので、役員の行動が法や定款に沿ったものか否かは重要なチェックポイントです。東京都もそれを随時監査します。
ところで、自分たちの定款は他人は公開してくれません。定款は常に組合員や債権者が読めるところに置くというのはこういうことによるものです。

【働く人の運営参加でよりよい高齢協事業を】

協同組合は広く仲間同士で助け合う相互扶助の事業組織として認められています。
個々の協同組合は誰が組合員なのか、なれるのかで性格が決まります。それは、組合員以外の利用の制限条項(生協法第十二条)と、組合員の資格規定によって担保されます。具体的に東京高齢協の定款を読むと、その第四条と第六条に組合員には東京都民ならなれるとか、東京で働いていれば理事会に加入申請できると書かれています。ですから、都民はもちろん、近県の住所でも東京高齢協で働く人は組合員になれます。
働いている人は、積極的に組合員になることによって高齢協の経営に意見を述べて、よりよい事業の発展に参加して欲しいと思います。

四.協同組合の価値について

【協同組合は関わる誰でも主体者にすることで強みが出ます】

私個人は協同組合というもので仕事をして四十数年経ちます。
協同組合は、他の企業と同様、仕入先や利用してくれる人たち、働く人、ボランティアなどさまざまな人たちとの関係で成り立っています。
このような人たちが主体者となって協同組合に関わることが協同組合の強みを発揮する力になります。誰かが誰かを支配するという上下関係ではありません。
ここに協同組合の価値が生まれると実感しています。これは明らかに「資本の論理優先」ではない、「人間優先、人間は平等と考える」人たちの集団だったわけです。

【人間関係に大切なことが協同組合の価値でもあります】

ICA(国際協同組合同盟)は、協同組合のアイデンティティの喪失に危機感を持ち、八〇年代後半から九〇年半ばにかけて協同組合の価値の検討を進めました。人々は協同組合の何に価値を感じて参加するのかの問いです。
全世界的な討議の末、一九九五年のマンチェスター大会で、協同組合の価値(自助、自己責任、民主、平等、公正、連帯)と、倫理的価値(正直、公開性、社会的責任、他人への配慮)としてまとめ上げました。
結局は人と人との関係において大切なものが、協同組合の価値としてなったと思います。

【さまざまな人たちが関わる高齢協づくりで活力ある地域を】

東京高齢協の中では、利用者とともに働く人も組合員となって運営をし、さらには事業活動とはある程度独立してかつ協同しながら進めている地域・文化活動があります。
実態的には利用者と地域文化活動家、そしてワーカーズのハイブリッドな協同組合(「多元的組合員制度」の一種)と説明しうる協同組合です。
働く人も幅広い年代の人たちです。地域創生においても多世代交流は重要なキーワードになっています。この複合的な特徴を生かして、活力ある地域づくりに資する高齢協へとさらに進めたいものです