都内にお住まいのSさんは、男性の一人暮しです。年齢を重ねて、仕事に追われた長年の生活から、のんびりとした仕事の無い生活に移りました。これからはゆったりとした日々と、時々趣味のゴルフに行く生活です。
人生の転機に、お住まいを全面的に直すことにしました。お住まいは築40年を超えた、6階建てマンションの4階にあります。日当たりも見晴らしも大変良く、広いテラスもあり気に入っています。
この機会に修繕したいことは沢山ありました。部屋の中に物が広がり雑然となってしまっていること、浴槽が狭いこと、浴室内にトイレがあること、キッチン台が小さいこと、ベッドを置きたいこと、サッシュが傷んできていること、などです。全体の広さは9坪程と限られています。設計を依頼されて、これらの課題を解決していくには「住まいの応援隊」で取り組んできた「高齢期のコンパクトな住まい」を実現することなんだと感じました。
設計の中心になるのは浴室、トイレ、台所などの水廻りの機能性向上でした。その部分が生活し易くなれば、居間・寝室の居心地も良くなるはずです。キッチンと浴室、トイレの動線を見直しました。水廻りの改修を主に全体を見直しました。

完成後しばらくしてSさん宅を訪れました。外食がほとんどだったSさんから「けっこう台所を使うようになったよ」と言われた時は良かったなと思いました。「コンパクトな住まい」では、来客をあまり意識せず、玄関とキッチンを一緒にすることができ、スペースを確保することができました。

(住まいの応援隊 一級建築士)