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多世代の福祉ニーズに応える ふくしの生協
2020-10-01

世界はリズムに満ちている

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが未だに収束しない世界。
大規模な災害が起こった時に人々を慰め、勇気づけてきた「音楽」や「スポーツ」も息をひそめ、じっと耐える時間が続いています。私は以前から、外出の時にはイヤホンを耳に音楽とともに行動するほどの音楽好きで、あの黄色の音楽ストアのキャッチコピーよろしく、「no music, no life」を実践しています。
その音楽。ただ単に、「演奏や歌唱の技術」「万人に愛されるメロディ」「共感できる歌詞」といった、直接視覚や聴覚に訴えかけてくるものだけではなく、楽曲から感じる「感動」や「癒し」、「情熱」や「共感」といった心の働きが重要な要素となり、それらが一体となり曲にパワーが生まれるのだと思います。
音楽の三大要素は「リズム」「メロディ」「ハーモニー」。その中で注目したいのが、最も単純で根源的、時代や民族によって大きな違いがあるが故に、生活に深く根差した音楽要素である「リズム」です。そもそもリズムとは、ある時間の中に、アクセントを持つ音の強弱が連続すること。それが、人為的でも自然のものでも、人はそれを「リズム」と感じます。基本の基本は心臓の鼓動。だからリズムの単位を「ビート(拍)」と言います。ビートはリズムを強調したもの。音楽に躍動感を与えるものがリズムであるとすれば、ビートは躍動感を強調する「ノリ」とか「切れ」、さらに「かっこいい」音楽へと直結するカギとなるものなのです。
念のために付け加えると、アクセントの連続でも、まったく強弱のないものはリズムと言いません。アクセントの強弱、という以上、「ひとつ」ではリズムと言わないわけで、最もシンプルにして根源的なリズムは「2」となります。しかし実際は、クラシック音楽から現在のポップスでも、ほとんどの音楽が「4拍子」で出来ています。「2拍子」と「4拍子」はメロディだけでは判断しにくく、リズムの取り方の違い、と言えなくもありませんが、ソナタも交響曲もオペラも、ロックもポップスもタンゴもサンバも、ダンス・ミュージックから歌謡曲まで、すべて4拍子なのです。西洋の知性が生み出した「4拍子」の画期的な点は、オールラウンドに活用できることです。要するに、アンサンブルにきわめて有効だということです。あらゆるアンサンブルが可能な「4拍子」は、楽譜という記録メディアの発明を経て進化し、多人数によるコーラスやアンサンブルに展開していきました。やがて20世紀前後に4拍子(フォービート)による大衆音楽(ポップス)へ展開してゆき、世界中で爆発的な繁殖を遂げることになるのです。
とにかくリズムは感覚的なものです。「リズムが走る」、「グルーブ感があるリズム」、「音の強弱」、「音と音との間隔」、「リズムを崩す」などなど。
各国の民族音楽には独特の「リズムのずれ」があり、それが唯一無二の音楽を生んでいるのです。長年その土地で伝承されてきた音楽、まさに耳が覚えている音楽です。リズムというのは正しいとか正しくないとか、合っているとか合っていないとか、そんな単純な物差しで測るようなものではなく、音楽を楽しくするための最も大事な根元の部分であると言えるのです。音楽を聴いていて、自然に体が動き出したら、リズムに身を任せてみてください。

                            (信濃町シニア活動館  伊藤 肇)

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